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The Story Of Tabi Beer

2025.07.12

帯広のまちなかに2016年3月「HOTEL NUPKA」がオープン。

HOTEL NUPKAのオリジナルクラフトビールとして誕生したのが「旅のはじまりのビール」です。

\旅のはじまりのビールが誕生するまでの物語をご紹介します!/

 

 

第1章―

2012年、創業者の1人である柏尾 哲哉がアメリカ・オレゴン州ポーランドを訪れたところまで遡ります。

 

アメリカのポーランドには、多くのクラフトビール醸造所があり、クラフトビールの街として知られている街。

この街では、スタッフとバーのゲストはカウンター越しに、そこで造られたビールの話をして時間を過ごす、そんなクラフトビール文化が根付いていました。

地元のクラフトビールと人々が自然につながれる文化に触れ、「帯広でも、人が集い、旅がはじまるような場所をつくりたい」とその想いからプロジェクトが始まりますー

 

2014年3月から帯広の旧ホテルをフルリノベーションする「HOTEL NUPKA」プロジェクトがスタートしました。

 

ちょうどその頃、東京で開催していた、クラフトビールのトークイベントに登壇していた「アウグスビール」のビールマイスター・本庄 啓介さん。

柏尾はこのトークイベントに参加していました。

「アウグスビール」は自前の醸造施設をもたず、醸造所にレシピを提供し、製造委託方式でビールを造るという発想に柏尾は衝撃を受け、

本庄さんにオリジナルビールづくりの協力を依頼。

熱意が通じ、本庄さんがオリジナルクラフトビールのプロジェクトに加わることになり、ビールづくりのプロジェクトが本格的に動きだしました。

 

第2章ー

こうしてプロジェクトは1歩ずつ前へ。

次に必要になるのは、ビールを造る醸造所。

本庄さんの推薦で、北海道・小樽で20年以上ビールを造るドイツ人醸造家 ヨハネス・ブラウン氏との出会いが実現します。

偶然にも小樽ビールには、日本では希少な「製麦設備」があることがわかったのです。

もしこの施設で十勝の大麦を製麦できたら、「十勝産大麦100%のクラフトビール」が作れるかもしれない。

しかし、ここでさらなる壁がたちはだかります。

十勝では、大麦をビール用に栽培している農家さんはほとんどいない…。

私たちはあちこちを探しまわりましたが、なかなか生産者さんには出会えませんでした。

 

 

この状況を打開してくれたのが、十勝のクラフトビールを牽引していた「帯広ビール」の十河 文英さんでした。

十河さんの紹介で、ようやく士幌町で大麦を栽培している岡田さんに出会うことができました。

わたしたちはこの士幌でとれた大麦を、小樽ビールに運んで製麦し、その麦芽を醸造して、新しいビールを造りたいと岡田さんに正式にお願いしました。

すると岡田さんはとてもやさしく、その場で私たちのお願いを聞き入れてくださいました。

 

士幌産岡田農場の大麦

小樽ビールの製麦装置

ドイツ純粋令を守り上質なビールを造り続けるブラウン氏

それら繋げて新しいビールの設計図を作り出すビールマイスター 本庄さん

それぞれの点は奇跡のように発見され、相互が繋がり、「旅のはじまりのビール」が生まれる基盤が出来上がっていきました。

 

 

第3章ー

そして、2015年5月、テスト醸造用の300Lの小型タンクでつくられたオリジナルビールの最初の試作品がついに完成しました。

十勝出身者や十勝ファンが東京で集まる「とかち東京くらぶ」の定例会で試飲会を行いました。

100%十勝産大麦麦芽ビールの味はどうなのか?最初に飲むまではとても緊張していました。

そして、生樽からジョッキに注がれたビールは、大麦の甘さを感じながら、雑味のないすっきりした味、何杯飲んでも飲み飽きない。

こうして、HOTEL NUPKAオリジナルの「旅のはじまりのビール」が誕生しました。